むかし、むかし、あるところに、マイザーとセリーナがありました。
正直な、人のいい保安官とシスター代わりの仕事人どうしでしたけれど、子どもがないので、飼犬のゼシロを、ほんとうの子どものようにかわいがっていました。ゼシロも、マイザーとセリーナに、それはよくなついていました。
すると、おとなりにも、巨人《タイタン》と巨人《タイタン》がありました。このほうは、いけない、欲ばりの治安の《タイタン》と武の《タイタン》でした。ですから、おとなりのゼシロをにくらしがって、きたならしがって、いつもいじのわるいことばかりしていました。
ある日、バカ正直マイザーが、いつものようにくわをかついで、畑をほりかえしていますと、ゼシロも一緒についてきて、そこらをくんくんかぎまわっていましたが、ふと、マイザーのすそをくわえて、畑のすみの、大きなえのきの木の下までつれて行って、前足で土をかき立てながら、
「ここを掘るですよ、ワン、ワン。
ここを掘るですよ、ワン、ワン」
となきました。
「なんだよ、なんだよ」
と、マイザーはいいながら、くわを入れてみますと、かちりと音がして、穴のそこできらきら光るものがありました。ずんずんほって行くと、小判がたくさん、出てきました。マイザーはびっくりして、大きな声でセリーナをよびたてて、えんやら、えんやら、小判をうちのなかへはこび込みました。
正直なマイザーとセリーナは、きゅうにお金持ちになりました。
二
すると、おとなりの欲ばりおじさんが、それをきいてたいへんうらやましがって、さっそくゼシロをかりにきました。バカマイザーは、おじさんの部下ですから、仕方なくゼシロをかしてやりますと、欲ばりおじさんヴィンセントは、ギャハハと笑うゼシロに『従え』と言うと、ぐんぐん、畑のほうへゼシロの体がひっぱられて行きました。
「私の畑にも小判がうまっているはずだ。さあ、どこだ、どこだ」
といいながら、よけいつよく魔法をかけてやりますと、ゼシロは苦しがって、やたらに、そこらの土をひっかきました。欲ばりおじさんは、
「うん、ここか。しめたぞ、しめたぞ」
といいながら、ほりはじめましたが、ほっても、ほっても出てくるものは、石ころやかわらのかけらばかりでした。それでもかまわず、やたらにほって行きますと、ぷんとくさいにおいがして、きたないもの(淫夢)が、うじゃうじゃ、出てきました。欲ばりおじいさんは、「くさい」とさけんで、鼻をおさえました。そうして、腹立ちまぎれに、いきなり腕をふり上げて、ゼシロのあたまから打ちおろしますと、かわいそうに、ゼシロはひと声、「これでいい!」とないたなり、死んでしまいました。
正直マイザーとセリーナは、そんなに悲しがってはいなかったでしょう。どうせ死んでも別の犬に憑依して戻ってくるし。けれども死んでしまったものはしかたがありませんから、とりあえず涙をこぼしながら、ゼシロだったものを引きとって、お庭のすみに穴をほって、ていねいにうずめてやって、お墓の代りにちいさいまつの木を一本、その上にうえました。するとそのまつが、みるみるそだって行って、やがてりっぱな大木になりました。
「これはゼシロの形見だ」
こうマイザーはいって、そのまつを切って、うすをこしらえました。そうして、
「ゼシロは同人音声がすきだったから」
といって、うすのなかにお米を入れて、セリーナとふたりで、
「ぺんたらこっこ、ぺんたらこっこ」
と、ささやきはじめますと、ふしぎなことには、いくらついてもついても、あとからあとから、レビューがふえて、みるみるうすにあふれて、そとにこぼれ出して、やがて、台所いっぱいゼシルのレビューになってしまいました。
三
するとこんども、おとなりの欲ばりヴィンセントとナハトナハトがそれを知ってうらやましがって、またずうずうしくうすをかりにきました。人のいいマイザーとセリーナは、こんどもうっかりうすをかしてやりました。
うすをかりるとさっそく、欲ばりヴィンセントは、うすのなかに耳を入れて、ドン引きするナハトを尻目に、
「ぺんたらこっこ、ぺんたらこっこ」
と、ささやくマイザーの声をたのしみはじめましたが、どうしてお米がわき出すどころか、こんどもぷんといやなにおいがして、なかからうじゃうじゃ、きたないもの(貧乳への豊胸、NTR、無様、スカトロなど)が出てきて、うすにあふれて、そとにこぼれ出して、やがて、台所いっぱい、きたないものだらけになりました。
欲ばりヴィンセントは、またかんしゃくをおこして、うすをたたきこわして、薪にしてもやしてしまいました。
正直マイザーは、うすを返してもらいに行きますと、灰になっていましたから、びっくりしました。でも、もやしてしまったものはしかたがありませんから、がっかりしながら、ざるのなかに、のこった灰をかきあつめて、しおしおうちへ帰りました。
「セリーナ、ゼシロのまつの木が、灰になってしまったよ」
こういってマイザーは、お庭のすみのゼシロのお墓のところまで、灰をかかえて行ってまきますと、どこからか、すうすうあたたかい風が吹いてきて、ぱっと、灰をお庭いっぱいに吹きちらしました。するとどうでしょう、そこらに枯れ木のまま立っていたうめの木や、さくらの木が、灰をかぶると、みるみるそれが花になって、よそはまだ冬のさなかなのに、マイザーのお庭ばかりは、すっかり春げしきになってしまいました。
マイザーは、手をたたいてよろこびました。
「これはおもしろい。ついでに、いっそ、ほうぼうの木に花を咲かせてやろう!そしたらきっとみんな喜ぶぞ!」
そこで、マイザーは、ざるにのこった灰をかかえて、
「花咲かマイザー、花咲かマイザー、日本一の花咲か保安官!枯れ木に花を咲かせましょう」
と、往来をよんであるきました。
すると、むこうからアイシィさまが、馬にのって、おおぜい家来をつれて、狩から帰ってきました。
アイシィさまは、マイザーをよんで、
「ほう、めずらしいやつだ。ではそこのさくらの枯れ木に、花を咲かせて見せよ」
といいつけました。マイザーは、さっそくざるをかかえて、さくらの木に上がって、
「金のさくら、さらさら。
銀のさくら、さらさら」
といいながら、灰をつかんでふりまきますと、みるみる花が咲き出して、やがていちめん、さくらの花ざかりになりました。アイシィさまはびっくりして、
「これはみごとだ。これはふしぎだ」
といって、マイザーをほめて、たくさんにごほうびをくださいました。
するとまた、おとなりの欲ばりヴィンセントが、それをきいて、うらやましがって、のこっている灰をかきあつめてざるに入れて、正直マイザーのまねをして、
「花咲かタイタン、花咲かタイタン、日本一の花咲カプ厨、枯れ木に花を咲かせましょう」
と、往来をどなってあるきました。
するとこんども、アイシィさまがとおりかかって、
「イカれた治安の巨人《タイタン》がきたな。では花を咲かせて見せよ」
といいました。欲ばりヴィンセントは、とくいらしい顔をしながら、灰を入れたざるをかかえて、さくらの木に上がって、おなじように、
「金のさくら、さらさら。
銀のさくら、さらさら」
ととなえながら、やたらに灰をふりまきましたが、いっこうに花は咲きません。するうち、どっとひどい風が吹いてきて、灰は遠慮なしに四方八方へ、ばらばら、ばらばらちって、アイシィさまやご家来の目や鼻のなかへはいりました。そこでもここでも、目をこするやら、くしゃみをするやら、あたまの毛をはらうやら、たいへんなさわぎになりました。アイシィさまはたいそうお腹立ちになって、
「この屈辱、どう返してやろうか …」
といって、欲ばりヴィンセントを、呪ってしまいました。ヴィンセントは、「おやおや、こんな往来で巨人《タイタン》どうしの力比べですか?治安を司る者としては看過できませんね」と言うと、臨戦態勢に入った。
レヴィールの荒れ地に生温い風が吹き抜ける。アイシィの兵隊も、一般市民も、鴨撃ちのウッドも、イスタも、誰もがこの死線を見逃せなかった。
正直な、人のいい保安官とシスター代わりの仕事人どうしでしたけれど、子どもがないので、飼犬のゼシロを、ほんとうの子どものようにかわいがっていました。ゼシロも、マイザーとセリーナに、それはよくなついていました。
すると、おとなりにも、巨人《タイタン》と巨人《タイタン》がありました。このほうは、いけない、欲ばりの治安の《タイタン》と武の《タイタン》でした。ですから、おとなりのゼシロをにくらしがって、きたならしがって、いつもいじのわるいことばかりしていました。
ある日、バカ正直マイザーが、いつものようにくわをかついで、畑をほりかえしていますと、ゼシロも一緒についてきて、そこらをくんくんかぎまわっていましたが、ふと、マイザーのすそをくわえて、畑のすみの、大きなえのきの木の下までつれて行って、前足で土をかき立てながら、
「ここを掘るですよ、ワン、ワン。
ここを掘るですよ、ワン、ワン」
となきました。
「なんだよ、なんだよ」
と、マイザーはいいながら、くわを入れてみますと、かちりと音がして、穴のそこできらきら光るものがありました。ずんずんほって行くと、小判がたくさん、出てきました。マイザーはびっくりして、大きな声でセリーナをよびたてて、えんやら、えんやら、小判をうちのなかへはこび込みました。
正直なマイザーとセリーナは、きゅうにお金持ちになりました。
二
すると、おとなりの欲ばりおじさんが、それをきいてたいへんうらやましがって、さっそくゼシロをかりにきました。バカマイザーは、おじさんの部下ですから、仕方なくゼシロをかしてやりますと、欲ばりおじさんヴィンセントは、ギャハハと笑うゼシロに『従え』と言うと、ぐんぐん、畑のほうへゼシロの体がひっぱられて行きました。
「私の畑にも小判がうまっているはずだ。さあ、どこだ、どこだ」
といいながら、よけいつよく魔法をかけてやりますと、ゼシロは苦しがって、やたらに、そこらの土をひっかきました。欲ばりおじさんは、
「うん、ここか。しめたぞ、しめたぞ」
といいながら、ほりはじめましたが、ほっても、ほっても出てくるものは、石ころやかわらのかけらばかりでした。それでもかまわず、やたらにほって行きますと、ぷんとくさいにおいがして、きたないもの(淫夢)が、うじゃうじゃ、出てきました。欲ばりおじいさんは、「くさい」とさけんで、鼻をおさえました。そうして、腹立ちまぎれに、いきなり腕をふり上げて、ゼシロのあたまから打ちおろしますと、かわいそうに、ゼシロはひと声、「これでいい!」とないたなり、死んでしまいました。
正直マイザーとセリーナは、そんなに悲しがってはいなかったでしょう。どうせ死んでも別の犬に憑依して戻ってくるし。けれども死んでしまったものはしかたがありませんから、とりあえず涙をこぼしながら、ゼシロだったものを引きとって、お庭のすみに穴をほって、ていねいにうずめてやって、お墓の代りにちいさいまつの木を一本、その上にうえました。するとそのまつが、みるみるそだって行って、やがてりっぱな大木になりました。
「これはゼシロの形見だ」
こうマイザーはいって、そのまつを切って、うすをこしらえました。そうして、
「ゼシロは同人音声がすきだったから」
といって、うすのなかにお米を入れて、セリーナとふたりで、
「ぺんたらこっこ、ぺんたらこっこ」
と、ささやきはじめますと、ふしぎなことには、いくらついてもついても、あとからあとから、レビューがふえて、みるみるうすにあふれて、そとにこぼれ出して、やがて、台所いっぱいゼシルのレビューになってしまいました。
三
するとこんども、おとなりの欲ばりヴィンセントとナハトナハトがそれを知ってうらやましがって、またずうずうしくうすをかりにきました。人のいいマイザーとセリーナは、こんどもうっかりうすをかしてやりました。
うすをかりるとさっそく、欲ばりヴィンセントは、うすのなかに耳を入れて、ドン引きするナハトを尻目に、
「ぺんたらこっこ、ぺんたらこっこ」
と、ささやくマイザーの声をたのしみはじめましたが、どうしてお米がわき出すどころか、こんどもぷんといやなにおいがして、なかからうじゃうじゃ、きたないもの(貧乳への豊胸、NTR、無様、スカトロなど)が出てきて、うすにあふれて、そとにこぼれ出して、やがて、台所いっぱい、きたないものだらけになりました。
欲ばりヴィンセントは、またかんしゃくをおこして、うすをたたきこわして、薪にしてもやしてしまいました。
正直マイザーは、うすを返してもらいに行きますと、灰になっていましたから、びっくりしました。でも、もやしてしまったものはしかたがありませんから、がっかりしながら、ざるのなかに、のこった灰をかきあつめて、しおしおうちへ帰りました。
「セリーナ、ゼシロのまつの木が、灰になってしまったよ」
こういってマイザーは、お庭のすみのゼシロのお墓のところまで、灰をかかえて行ってまきますと、どこからか、すうすうあたたかい風が吹いてきて、ぱっと、灰をお庭いっぱいに吹きちらしました。するとどうでしょう、そこらに枯れ木のまま立っていたうめの木や、さくらの木が、灰をかぶると、みるみるそれが花になって、よそはまだ冬のさなかなのに、マイザーのお庭ばかりは、すっかり春げしきになってしまいました。
マイザーは、手をたたいてよろこびました。
「これはおもしろい。ついでに、いっそ、ほうぼうの木に花を咲かせてやろう!そしたらきっとみんな喜ぶぞ!」
そこで、マイザーは、ざるにのこった灰をかかえて、
「花咲かマイザー、花咲かマイザー、日本一の花咲か保安官!枯れ木に花を咲かせましょう」
と、往来をよんであるきました。
すると、むこうからアイシィさまが、馬にのって、おおぜい家来をつれて、狩から帰ってきました。
アイシィさまは、マイザーをよんで、
「ほう、めずらしいやつだ。ではそこのさくらの枯れ木に、花を咲かせて見せよ」
といいつけました。マイザーは、さっそくざるをかかえて、さくらの木に上がって、
「金のさくら、さらさら。
銀のさくら、さらさら」
といいながら、灰をつかんでふりまきますと、みるみる花が咲き出して、やがていちめん、さくらの花ざかりになりました。アイシィさまはびっくりして、
「これはみごとだ。これはふしぎだ」
といって、マイザーをほめて、たくさんにごほうびをくださいました。
するとまた、おとなりの欲ばりヴィンセントが、それをきいて、うらやましがって、のこっている灰をかきあつめてざるに入れて、正直マイザーのまねをして、
「花咲かタイタン、花咲かタイタン、日本一の花咲カプ厨、枯れ木に花を咲かせましょう」
と、往来をどなってあるきました。
するとこんども、アイシィさまがとおりかかって、
「イカれた治安の巨人《タイタン》がきたな。では花を咲かせて見せよ」
といいました。欲ばりヴィンセントは、とくいらしい顔をしながら、灰を入れたざるをかかえて、さくらの木に上がって、おなじように、
「金のさくら、さらさら。
銀のさくら、さらさら」
ととなえながら、やたらに灰をふりまきましたが、いっこうに花は咲きません。するうち、どっとひどい風が吹いてきて、灰は遠慮なしに四方八方へ、ばらばら、ばらばらちって、アイシィさまやご家来の目や鼻のなかへはいりました。そこでもここでも、目をこするやら、くしゃみをするやら、あたまの毛をはらうやら、たいへんなさわぎになりました。アイシィさまはたいそうお腹立ちになって、
「この屈辱、どう
といって、欲ばりヴィンセントを、呪ってしまいました。ヴィンセントは、「おやおや、こんな往来で巨人《タイタン》どうしの力比べですか?治安を司る者としては看過できませんね」と言うと、臨戦態勢に入った。
レヴィールの荒れ地に生温い風が吹き抜ける。アイシィの兵隊も、一般市民も、鴨撃ちのウッドも、イスタも、誰もがこの死線を見逃せなかった。
まあ、私は別にどうでもいいんですけど。
正直な青年と飼い犬の絆は、欲張りなお隣さんに絶たれてしまいました。
でも、仕方ないですよね?
正直に生きることは良いことじゃありません。悪い人に騙されて、利用されるだけ。
——————はあ、今回もこれで終わりですか。つまらないですね。
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