ふうっと吐けば、白い煙が登って消えた。握り締めれば、ほんのり暖かく、てのひらは、少しゴツゴツしていたけれど、優しかった。
町の喧騒は、あんまり慣れていなくって、私はずっと、あの図書室にいて。少し怖くもあったけれど、ライルがいるから、大丈夫。世界はとっても広いんだって、わかったから。皆に教えてもらったから。
目まぐるしく回る風景に、夜の街を明るく照らす街灯に、目を躍らせて、一歩一歩楽しんでいられる。ふわふわと雪が降り、風はびゅうびゅう歌っているのに、どうしてだろうね、私はとってもあったかいよ。

ねぇライル、ライルも、あったかい?

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